クトゥグァは、地球から二十七光年離れたフォマルハウトに棲むといわれる火の邪神です。
巨大な生ける炎のような姿で、際限なく形状、色彩を変容させているとされ、眷属である「炎の精」――知性のあるプラズマ光球状生命体――を無数に従えています。
この「旧支配者」についてはあまり多くのことが判明していないようで、アブドゥル・アルハザードの「ネクロノミコン」でもあいまいなほのめかし方しかされていません。
<旧神>によってフォマルハウトに幽閉されているようですが、地球上ではフォマルハウトが地平線上に重なるとき、ある呪文を三度詠唱すれば召喚できるそうです。

ひとつ確かなことは、クトゥルーやツァトゥグァといった他の「旧支配者」と対立関係にあり、とりわけナイアーラトテップとは激しく敵対していて、かつて地上に召喚されたときは、ナイアーラトテップの地球上の拠点の一つであるンガイの森を灼熱の劫火で焼き払い、完膚なきまでに破壊しつくしたそうです。
ナイアーラトテップが恐れる唯一の存在にして天敵、それがクトゥグァなのです。
とにかく多くの「旧支配者」と敵対しているようですが、ハスターとは同盟関係にあるみたいですね。

クトゥグァの召喚は、主にナイアーラトテップに脅かされている人間にとって究極の対抗手段となりますが、その際は数多の炎の精の跋扈とクトゥグァ自身の熱量により、召喚された周囲一面が焼き払われてしまうため相応の覚悟が必要でしょう。

火の用心、マッチ一本火事のもと――ではすまされませんね。


      ――お昼寝中――

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クトゥグァ

主な作品:「闇に棲みつくもの」
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